シリーズ
台日スローフードとリズムの哲学
この台北のパン屋は開いて十一年を超える。エッグタルトの流行も、生食パンの流行も、その傍らで、一日一窯、ゆっくりと作り続けてきた。そのディレクターは東京に住んでいる。私はその店のマーケティングをしていて、いつもこの緊張の中にいる。十八時間発酵させる一本のパンが、何もかもが速さを追う市場でどう語りかけるか。このシリーズは本線の四編に、2019年に横浜の資生堂で見たことの前伝を一編加えたものだ。それらが語るのは、実は同じ一つのことだ。遅さは懐古ではなく、守られるべき選択肢なのだ。
- この台北のパン屋のディレクターは、東京に住んでいる 台湾と日本のあいだの縁。東京の発酵の名人、台南出身の日本人社長、そして遅い手仕事を守る台北のパン職人。
- 余命半年のエンジニアと、彼のパン 1970年代、あるエンジニアが癌で余命半年と宣告され、自ら作ったパンで生き延びた。これが発酵の名人の「医食同源」の源だ。
- 長時間発酵と、この加速の時代 速くしかできず、遅さを選べないシステムは、実のところ一種の制御不能だ。
- エッグタルト、生食パン、そして流行を追わないパン 台湾は食べ物を消耗品として扱うのを好むが、遅い手仕事の食べ物は伝え方の論理がまったく異なる。
- 資生堂のGICに見る教訓:スタイルはトレンドを超越する 150年近い企業の底力。それは流行を追わない、なぜならそれ自体がスタイルだからだ。(2019、前伝)
ニュースレター
新着記事を購読する
新しい記事が公開されるたびにメールで届く。広告なし、名簿の転売なし、いつでも一クリックで解除できる。
確認メールが届くので、リンクを押すと購読が完了する。